BACK NUMBER　2005年　8月
白崎彩子トリオ・ジャズ・コンサート

ライブはドラマであり、CDでは決してあじわえない感動がある。白崎彩子のハスキーズギャラリーのライブは今回で3回目。遠くニューヨークでがんばっている彼女のツアー、ぜひ初日にとお願いし、実現したライブである。もうすっかり湘南のジャズファンに溶け込んだ彩子ジャズ。今回熱烈な彼女のファンのKさんが病気で聴きに来てもらえなかったのが唯一の残念。
今回は彼女の2枚目のCD「Musically Yours」発売記念ライブ。6月22日にリリースされたばかりのこのCD。ピアノの名手ケニー・バロンの「彩子の新作は、新しい発見に満ち溢れ、聴くものを予想外の展開へいざなう。」と絶賛した批評をライナー・ノートで読んだが、まさにジャズの底の深さ、楽しさを教えてくれるライブであった。
新作CD挿入曲「ayakology」、彼女のオリジナル曲であるが、あるスタンダードが原曲になっているという。その原曲は何？当日、3択で松本千鶴ボタニカル絵葉書セットを景品に出し、あてっこで楽しんでいただいたり、モンクとパウエル、どっちがクレイジー比較？など楽しい解説とベース高尾幸広氏のかけ声による「ソ・ピーナツ！ソ・ピーナツ！」などジャズを聴くだけでなく、会場参加型のライブで語りのうまさが加わった彩子のライブ。もちろん、Un Poco Locoでドラムス橋本学が聴かせてくれた感動のドラム・ソロもよかったです。
今回はレギュラー・トリオではありませんでしたが、まさにピアノ・トリオの名演奏だったと思います。昔、茅ヶ崎ジャズクラブの先代会長熊澤實氏はよくジャズ評論家野川香文氏の「ジャズに名曲はなし、ただ名演奏あるのみ」という言葉を教えてくれましたが、まさにその言葉どおりのライブでした。

2005年　8月 20日　ハスキー 加藤信吾

↑白崎彩子