いつもながら軽快なサウンズ、時間が経つにつれ、酒井が汗を拭きながらの熱演となる。1部はボディ＆ソウル、サマー・タイムなどのスタンダードの名曲を、そして15分の休憩の後、2部はザ・マン・アイ・ラブからはじまった。

2部の圧巻は「見上げてごらん」であった。昔、マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルで、キューバのピアニスト、ゴンザロ・ルバルカバが突然「イマジン」をソロで弾きだしたとき、聴衆はシーンと静まりかえり、曲の終わった瞬間、拍手の嵐が巻きおこった。その瞬間を彷佛とさせる名演であった。

今年の5月、山中は、グレート・タイムに続く、次のアルバム録音で、ニューヨークに渡り、坂本九の熱唱で知られるこの曲を、彼のもっとも好きなピアニスト、ジュニア・マンス等と演奏した。ジュニア・マンスもえらくお気に入りだったとか。このCDは今年の秋発売となる。ぜひ聴いてみたいものである

2001年　6月　23日　ハスキー 加藤信吾