先日Bフラットのオーナーの杉谷さんとお話をする機会があったが、杉谷氏曰く、僕のもっとも好きなユニットなんだな、アルなかは。そうでしょう。多田が回想して言っていたが、Bフラットの前身、原宿キーノートでは、ライブになると竹下通りまで、若いギャルが並んだそうだ。そしてもう5年になる。

日本ジャズ維新、新撰組、沖田総司似のいい男、ヤマジョー、骨太（小泉さんの構造改革案じゃないよ）のジャズを聴かせるタダセイ、そして野獣系のドラマー原大力、そして茅ヶ崎ではベース塩田哲嗣、ピアノ吉田桂一など個性あふれる面々は、ジャズとは縁のない若い女の子も引きつけ「ヤマジョーさん素敵。私いっちゃいそう。」そんな黄色い声のとぶ反面、ストレート・アヘッドを追求する日本ジャズの発展に牽引的な役割を果たしてきた。

7月14日のハスキーズギャラリーのジャズコンサートでもJohn ColtraneのNaimaやChick CoreaのBud Puwell等の曲をアルなかならではのアレンジで、骨太で、ときにやさしい演奏をきかせてくれた。アルなかは今年の8月に一時その活動を休止するが、その演奏は永遠にジャズを愛する心に刻まれる。ただ一つ残念なことは、これだけの人気ユニットであるのに、この間彼等のCDが発売されなかったことだろう。しかしそれもまた考えようで、ジャズとはアドリブとインタープレイ。ライブで感動したジャズファンの心にのみ思い出として残るのも、これまた一興。

2001年　7月　14日　ハスキー 加藤信吾