2ステージ目に、茅ヶ崎ジャズ・クラブのK氏より、リカード・ボサノバお願いできないか聴いてみて、と頼まれ、おそる、おそる聞いてみる。ミュージシャンのセメント（真剣）なライブを楽しみたい場合、リクエストは、ともすればやってもらえない（いけない）場合があるからだ。答えはOK。山中良之の癒しテナーが、このときだけは、ノリノリのハンクモブレー風味であった。

また、マッチャン（トランペッターの松島啓之のことを、人は親しみをこめて、こう呼ぶ。そういえば、小池純子のオリジナルにマッチャンのブルースという曲があるが、ぜひ一度聴かれることをお勧めする。バラードっぽい、とても美しい曲ですよ。そして彼はわが愛犬、寅次郎君と同じ柴犬を飼っている、女性にもてる、とってもいい男である）は、昨年、足を骨折する大怪我をし、1月に東京TUCでもびっこを引いていたので、だいじょうぶかなと心配していたが、元気いっぱいのパフォーマンスを披露してくれた。さすが湘南生まれのご当地のラッパである。

そして嶋友行のベース、フォリス・フルフォードの手練のリズム・セクションにささえられて、あっというまの2ステージ3時間が終わってしまった。茅ヶ崎公園の桜が満開の3月のライブ、湘南のジャズファンの諸君、満足してもらえたかな。

2002年　3月　23日　ハスキー 加藤信吾