BACK NUMBER　2005年　9月
村田浩＆ザ・バップ・バンド・ジャズ・コンサート

STRAIGHT AHEAD、ジャズ・トランペッター村田浩の新CDのタイトルである。元来の意味は「思ったとおりに」「一直線」、アメリカでは「本流」「主流」というらしい。いかにも、1975年夏に自己のバンドに「BOP」という称号を冠し、30年、バップ一筋に演奏を続けてきた彼らしいタイトルだと思った。
タイトルだけでなく、メンバーも村田をして名人といわしめた澤田一範（AS）、若手実力派の松本全芸（P）、矢野伸行（B）、宮岡慶太（DS）と、ジャズ本流（　BOP）を演奏するミュージシャンでかためるあたり、まさにBOPの伝道師。
ライブのはじまりは、ホレス・シルバーの名曲スプリット・キック、BOP・BANDのオープニングはこれ。これをきくと、今はなきクリフォード・ブラウンが墓場からよみがえり「さぁ、みんなでジャズをやるぞ！これがジャズだぞ！」っていうアジテーションに、ジャズファンは「ははー」って耳を傾け、土下座する、そんな気持ちになるものだ。
ライブはアウト・オブ・ノーホエアー、イフ・アイ・ラブ・アゲイン、ワンス・イン・ア・ホワイルなどCD挿入曲を中心に、ジャズ黄金期のバップの名曲、ファンは古い言い方かもしれないけど「嬉シクテ涙チョチョキレチャッタゼ！」というライブだった。まさにサービス精神旺盛なバップ・トランペッター村田浩ならではである。

2005年　9月 17日　ハスキー 加藤信吾

↑村田浩＆ザ・バップ・バンド