BACK NUMBER　2005年　12月
大石学・ジャズ・コンサート

エメロードの街路樹にイルミネーションが飾られた、クリスマス・イブ、大石学は、ホテルのディナーショーの仕事を断って、茅ヶ崎に駆け付けてくれた。感謝である。私と大石学との出会いはもう10年前になる。茅ヶ崎にボサノバのフルート奏者、城戸夕果がおり、そのライブを茅ヶ崎ジャズクラブで主催してからである。当時の綺麗なピアノを演奏するプレーヤーだという印象は、その後、八ヶ岳や横浜ジャズ・プロムナードで彼のピアノ・プレーを耳にし、いつか茅ヶ崎にという思いにかわって、実現したライブである。バッキングもベース米木康志、ドラムス原大力とくれば、申し分のないトリオである。
ライブは、1部は彼の最新CD「くりかえされること〜Seasons Return」の曲を中心に演奏、エモーショナルでオリジナリティにあふれる彼のピアノ・プレー、そして、篠笛、フルートという管楽器をもちこんでの演奏は、クリスマス・イブにハスキーズ・ギャラリーにカップルでこられたお客様には最高のプレゼントとなったに違いない。2部の最初は「エブリシング・アイ・ラブ」そして「ムーン・リバー」とスタンダード・ナンバーが続く。ヘンリー・マンシーニ作曲の日本人にもっともこのまれるこの映画音楽を三拍子で、やさしいピアノタッチで弾くと、カップルでこられたお客さんはうっとり。してやったりだと思うギャラリーのオヤジであった。そして最後はあの9.11の惨劇から生まれた、平和を願うオリジナル「Peace」。2005年も世界のどこかで戦争がおこり、貴い命が失われていった。2006年が平和でありますように、そんな大石の気持ちがこもったライブであった。

2005年　12月 24日　ハスキー 加藤信吾

↑大石学