BACK NUMBER　2006年　11月
ジーン・デノヴィ・ジャズ・コンサート

街灯にイルミネーションが灯る11月、ジャズピアニスト、ジーン・デノヴィはベース　ニール・スウェンソンとともに、ハスキーズギャラリーに来茅した。日本公演は5度目、うちギャラリーでのコンサートは今回が3回目である。日本人の心の琴線にふれる美しいメロディ・ライン。シャレード、ソー・イン・ラブ、ゴールデン・イヤリング等を78歳とは思えないメロディアスで心地よいタッチで弾きこなすデノヴィ。円熟というより、まさに今が旬！招聘元のマシュマロ・レコードの上不氏は語る。「これほどの素晴らしい演奏レベルを維持できるヴェテラン・ピアニストは、デノヴィがDeanと敬愛するハンク・ジョーンズを置いて他にいない…」と。
当日午前中、ピアノ調律を終え、高鳴る心をおさえ、コンサートの準備をしながら彼のCD「ソー・イン・ラブ」をあらためて聴く。彼のコンサートの企画の一翼を担うことができた喜びにひとり酔いしれながら。ライブはCDの録音レベルと遜色のない完成度の高いコンサートであった。彼の奏でるピアノ・タッチ一音一音に会場のファンは耳を傾け、至福の時間は過ぎていった。
入念なリハーサルの後、赤いネクタイのステージ衣装に着替え、ピアノに向う彼の背中は誰にでもやさしく、親切なジャズ・ピアニストで、演奏会も終え、CDサイン会では、きさくに握手をかわすデノヴィ。そんな人間的魅力も、デノヴィの音楽が愛され、東京や埼玉からも熱心なファンが彼のピアノプレイを聴きにギャラリーに来られた理由だと思う。昨日のボジョレ・ヌーボーの解禁日ではないがデノヴィの音楽に乾杯！

2006年　11月17日　ハスキー 加藤信吾

↑ジーン・デノヴィ