BACK NUMBER　2007年　1月
大隈寿男・ジャズ・コンサート

氷雨、冷たい雨にまじって、ときおり雪が舞い散る寒い朝、でもライブ開始時には雨もあがりホッ。寒い日にはジャズ！コンサートはとってもホットでした。ウェーブや黒いオルフェ、愛のプレリュードなど、ポップスやボサノヴァ、そしてピアノの納谷嘉彦のアレンジによる「上を向いて歩こう」等、多彩な楽曲をレパートリーにするこのトリオ、文句なく楽しめました。しかし昨年、南里文男賞を受賞した日本を代表するジャズドラマー大隈寿男の真髄は4ビートジャズ！上着を脱ぎ捨てハッスル、ハッスル！「チュニジアの夜」「キャラバン」「ウォーターメロンマン」安（ヤス）の愛称でしられる安カ川大樹のベースを、大隈がハイ・ハット、バス・ドラ等を自由に駆使してリズムであおる。まさに日本のアート・ブレイキー！そして今日一番印象に残った曲は、入念にリハーサルで仕込んだ納谷のアレンジによる「明日に架ける橋」。今から30年以上前、学生時代に聴いたサイモンとガーファンクルが歌うこの曲。納谷が弾きこなすピアノの美しい旋律に合わせ、目を閉じて、大隈がブラッシュ・ワークすると、さらに芸術性の高い音楽へと昇華していく。この大隈トリオのプレイを聴きに静岡や埼玉から来られたお客様もアンケートでエクセレント！と書かれていました。まさに大人が楽しめるジャズ、それが大隈寿男のジャズだ。

2007年　1月20日　ハスキー 加藤信吾

↑大隈寿男