BACK NUMBER　2007年　7月
岡安芳明5　ジャズ・コンサート

岡安の最新CDのタイトルは「No Regrets」。意味は、「悔い無し！」ジャズギタリストとして円熟の境地をむかえようとしている岡安芳明らしいオリジナルの曲をタイトルにしたこのCD発売記念ライブは、浴衣で隣町（平塚）の七夕まつりを見に行くカップルがそぞろ歩く7月8日、エメロード・ハスキーズギャラリーで開催された。当日はベースの香川裕史がちょっと遅れた以外、ドラムス高橋幹夫、TP松島啓之、TS岡淳が定刻（午後2時）に集合。入念なリハーサル後、午後4時のライブは彼のオリジナルやColeman HowkinsのStuffyやStanrey TurentineのThe Hustler、Duke EllingtonのMood Indigo等の名曲をTP松島啓之、TS岡淳をフロントに息の合った見事なコラボレーションで聴くことができた。2004年4月、当時不慮の病にたおれた岡安であったが、そのような遍歴を微塵も見せることなく、さらに人間として、ジャズ・ミュージシャンとして、成長、進化した「岡安芳明」がそこにいた。アンコールの Duke Ellington「A列車で行こう」の後、お客様にたった一言。「ありがとう。楽しかった。」朴訥ではあるが一切の妥協をせず、自己の才能をあますところなく表現したひとりの職人ミュージシャンの姿に聴衆はおしみない拍手を贈っていた。

2007年　7月8日　ハスキー 加藤信吾

↑岡安芳明