BACK NUMBER　2007年　9月
東海林由孝　ジャズコンサート

酒とバラの日々、いつか王子様が、アローン・トウゲザー、チュニジアの夜、バイ・バイ・ブラック・バード、そしてアンコールはマイ・フェイバリット・シングス。
ジャズファンなら必ずどこかで聴いたことのあるジャズ・スタンダード。当夜の東海林由孝ギャラリージャズコンサートはそんな聴きやすいスタンダード・オンリーで選曲された楽しいライブであった。
バッキングは永塚博之（B）高橋厚雄（AS）青木秀明（TS）というベテラン揃い。190cm近い永塚のベースがビン、ビン煽れば、アイ・コンタクトで東海林がギターで呼応する。そしてアルトとテナーがからみ音の作品をつくりあげる。
そして壁には彼等をモチーフにした「491ハウス」や「アルコ」という絵画や音をイメージした油絵、版画、切り絵の展示が…（当日は音の風景二人展　かりや淳子　和田圭以展）。まさに音楽とアートの響宴とはこのことをいうのだろう。
ときにスリリング、ときにホット！ちょっとはにかみで無口であるが東海林のギターは確実に聴衆の心をとらえていた。またその分、高橋厚雄はアルト、ソプラノサックスで熱演しながら曲の解説や楽しいおしゃべりで場をもりあげる。彼はまさに和製キャノンボール・アダレイ。その風貌、色気ある音色は特に印象に残った。
茅ヶ崎在住でエルビン・ジョーンズ等と共演しているギタリスト東海林由孝、そして3人のミュージシャンの演奏は確実にギャラリーのコアなファンの心をとらえた一夜であった。

2007年　9月22日　ハスキー 加藤信吾

↑東海林由孝