水橋 孝 ＆ 山本 剛・ジャズコンサート
BACK NUMBER　2010年　3月

桜咲く4月、春爛漫スペシャル・ジャズ・ライブに日本を代表するスーパー・ベーシスト水橋孝、国内外で活躍するピアニスト山本剛がハスキーズギャラリーにやってきた。ライブ冒頭の演奏曲「ミスター・ボー・ジャングル」、物悲しいベースのイントロで始まるこの曲を、私はかつてボーカリスト綾戸智絵のコンサートではじめて聴いた。歌詞は実在のタッブ・ダンサーの人生を歌ったもので和訳「15年連れ添った犬がただ老いぼれて死んだが、20年たってもまだ悲しい」は、わが人生、そして愛犬ハスキーのエピソードを思い出し、胸がいっぱいになった。この歌曲をこよなく愛するゴンさん（水橋孝）の演奏をわがギャラリーで聴くことができたことを私は誇りに思う。そしてエロール・ガーナーの名曲「ミスティ」、すでに山本剛といったら「ミスティ」といわれるくらい彼の代名詞になっている曲だが、会場のYさんリクエストに快く応えた山本剛のその曲は、作曲者の演奏もしのぐすぐれたものだと思った。
そしてゲストとして出演したジャズボーカリスト山形雄子、彼女のCD「ラヴィング・ユー」の挿入曲「クライ・ミー・ア・リバー」、よかった。ジュリー・ロンドンに負けない声量、表現力を彼女は着実に身につけつつある。彼女の未来に期待したい。

2010年　4月11日　ハスキー 加藤信吾

↑水橋孝＆山本剛