BACK NUMBER　2010年　8月
アキコ・グレース・ジャズコンサート

「もう諦めていたのに、夏はもう一度力をとりもどした。夏はだんだん短くなる日に凝り固まったように輝く、雲もなく焼き付く太陽を誇り顔に。」ヘルマン・ヘッセの「八月の終りに」という詩の一節である。彼女のピアノにはポエムがある。そして8月の炎暑　そんな季節にジャズという表現手段で彼女なりの美学をライブで聴くことができる幸せを分かち合いたい。8月14日、「Akiko Grace Concert in Chigasaki」の趣旨であった。彼女のバースデイライブを企画したのは昨年、フルートのジェレミー・スタイグの来日に合わせてが最初だった。今年もスペシャルゲストにギターの天野清継氏を迎えてのライブは、予想通り大入り満員。お盆の中日にもかかわらずたくさんのアキコ・グレースのファンがギャラリーにご来場いただいた。Praha、fly me to the moon、 manhattan story、 approach to shine、 summer time、 azure in paris、 madrid madness、 traumerei、 そしてwalts of sunflowerが演奏された。特に灼熱のスペイン、狂気と狂喜が交差する町マドリッドの鈴木のスパニッシュ・ギターとのコラボレーション、マドリッド・マドネスが印象的だった。彼女がマドリッドを訪れたのはワールドカップの時期だったとか。スペイン子のサッカーにかける情熱はフラメンコにも劣らないのだろう。ライブ終了後、次回のCD挿入にぜひとお願いしたが実現するだろうか？ライブは終わったが暑い日はまだまだ続く…。

2010年　8月14日　ハスキー 加藤信吾

↑アキコ・グレース